さして重要でもない国語辞典
知らない言葉との出会いは突然で、あまりに突然であるために聞き流してしまうことの方が多いですよね。
積極的に調べていかないとこの青山、語彙など一生増えることはないと思い、それを調べるページを作りました。
ヴァトナヨークトル国立公園【Vatnajökull National Park】
アイスランドにある広大な国立公園。
ヴァトナヨークトル氷河というヨーロッパ最大の氷河、そしてその下には10個もの火山が同時に存在するという、地球規模でたぐいまれな土地。
氷河地帯でありながら、火山地帯でもあるということだ……。
これらの火山は現在も活火山であり、近年でも噴火を繰り返している。
単なる氷河とは違い、火山によって下から温められるために空いた氷の洞窟に歩いて入ることができ、CG表現としか思えない超自然的な光景が楽しめる。
地熱と噴火によって氷河が崩れて洪水を引き起こすことも多々あり、生き物が生きるには過酷な環境だが、氷河期以来生き残っている生物種もあるという。
しかし興奮しないか?氷と炎、相反する属性が1つの場所に存在するなんて……。
うっちゃる【打ち遣る】
古語「打ち遣る」が口語変化して撥音便化した言葉。動詞で、意味は投げ捨てる、という意味。
その辺に投げ捨てておく、ぞんざいにぶん投げるというニュアンスがある。
連用形の「うっちゃり」は大相撲の決まり手のひとつ。語義通り、相手を持ち上げて横に投げ飛ばすとこれが成立する。
動詞としては現在でも関東近辺では使われることがあるらしいのだが、基本的には近代古語であり落語や講談などで聞くことが多いだろう。
私はなんとなくこの言葉には「投げ捨てたまま、忘れてしまう」というようなどこか投げやりなように感じていて、能動的であるかどうかによらず、捨ててそのままにしてしまう感じがこの言葉にしか出せない雰囲気であると思っている。
編集途中で仮保存のままにしているテキストファイル、それはつまりうっちゃってしまっているのである。
エンジンブレーキ【Engine braking】
自動車などで、直接の負荷によらず、エンジンそのものの出力を下げることでブレーキの役割を果たす操作。
日常で走行をするためには通常のフットブレーキで事足りるが、傾斜の激しい山間地帯や悪天候時の高速道路などでは、フットブレーキだけでは足りない場合がある。
フットブレーキは簡単に言うとタイヤのシャーシを直接押さえて負荷をかけ減速させるものなので、急な下り道など勝手に加速してしまう状況での減速を目的として連続して踏み続けていると、そのシャーシを押さえている部分が摩擦熱で摩耗し効率が落ちていき、最終的にはブレーキが全く利かない状態に陥る(フェード現象)。
また、ブレーキを押さえる動作は配管内の油圧によって制御されているため、この摩擦熱によってオイルが沸騰してしまうことがあり、それもまたブレーキが利かなくなる原因となる。(ベイパーロック現象)
その二つを避けるために使うのがエンジンブレーキである。
エンジンブレーキを使うとエンジンの出力が下がるため、勾配による加速は0にはならないが、フットブレーキによる負担をかなり減らすことができるというわけですね。
しかし、さほど必要のないときに乱用すると、低出力と化したエンジンでは回転数が爆上がりすることになり、エンジンへのダメージにもなりかねないというまさに諸刃の剣。
いずれにしてもそもそもスピードを出し過ぎなければいい話なので、運転する際にディープパープルを聞くのはやめましょう。
オトシンクルス【Otocinclus】
南米に生息するナマズ科の小型魚のこと。熱帯魚。
熱帯魚にしては地味な色合いだが、その食性は雑食性で水槽に生えた藻や苔などを食べてくれるため、水槽の掃除屋として人気がある。
性格は温厚で他のお魚と喧嘩することがあまりないため、とても便利なヤツ。
しかし、丁寧に餌付けをしないと通常の餌をあまり食べたがらないらしく、藻や苔がなくなってしまうと餓死してしまうこともあるという。
きみは掃除をするために生まれてきたのかい?聞いてるだけで可愛らしい感じがするね。
カチョエペペ【cacio e pepe】
イタリア・ローマの伝統的なパスタ料理のひとつ。
カチョはチーズ、ペペは胡椒という意味なので、日本語で言うとチーズと胡椒という意味。おつまみかなんかか?
チーズとパスタが合わないわけはないし、そこに胡椒まで加わるとなればおいしいはずである。
簡単なものであれば、パスタを茹でたものにバターと粉チーズと胡椒をかければできる。
本格的なものだと塩っ辛い羊のチーズを使うらしいですね。食べてみたい!!
カリカチュア【caricature】
ある人や物事の特徴を揶揄するため、それらの特徴を極端に誇張したり歪曲させたりして描かれたイラストのこと。
多くは風刺や誹謗、皮肉、侮蔑を目的としているため、間抜けな印象にしたり、グロテスクなまでに劇画的に描いたりされる。
逆に風刺目的であっても、写実的に描かれたものはカリカチュアではない。
もとの人物から大幅にかけ離れた表現をしながらその人であるということをわかってもらわないといけないため、絵の技術はもちろんユーモアセンスも問われ、誰にでも描けるというものではない。
また単なる似顔絵のことをカリカチュアと呼ぶこともあるが、厳密にはちょっと違う。
しかしその似顔絵で、例えば鼻が大きい人の鼻を現実よりも極端に大きく描いたりしていればそれはカリカチュアである。
発展形で「カリカチュア化」「カリカチュアライズ」という言い回しもあり、例えばお笑い芸人などで、初見のインパクトを高い極端に太った体を売りにしている人がいれば、それを「カリカチュア化された肉体」とか言ったりする。
またこの場合には、絵画であるという必要はないため、創作上であまりにテンプレートなキャラのことを「カリカチュア化されたヒーロー像」などという言い方もできる。
いずれにしてもいい意味として使うことはあまりない。というか皮肉りたいときに使う言葉。
敷松葉【しきまつば】
冬の間、苔などが霜とか霜柱とかでダメージを受けないよう、松の葉っぱを敷くこと。冬の季語。
敷き方によってはいろいろな模様を作り出せたりするので、苔を育てていなくても風情のためにやることもある。
普通の庭に敷松葉をして枯山水を模すこともあるらしいです。
他にも、常緑樹の緑と枯れた松葉の茶色で対比を作り出すこともあり、茶道では庭を作るお作法あるいは年中行事に含まれているほどのことだそうです。趣だな。
北向の庭にさす日や敷松葉
ステイルメイト【stalemate】
チェスにおける、チェックされていない状態でそれ以上動かせる駒がなくなった際には引き分けになる、というルール。
どんなに盤面上の優劣差があっても、これになると必ず引き分けになるため、優勢を取っている側はこれを回避しなければいけない。
このルールこそが、チェスを盤面で優勢のほうが必ず勝つゲームではなくしている理由。
将棋は持ち駒があるため起こる確率は限りなく低いが、チェスは取った駒を再び使うということができないため、無鉄砲に攻め続けると割と起きる。
もともとは、チェスプレイヤーが貴族相手の接待チェスをやる際、戦力差がありすぎて圧勝してしまうのを防ぐためのハンデとして制定されたルールらしい。
コッツウォルズ【Cotswolds】
イングランド中央部に位置する街……というか……村?一帯?
14世紀あたりから建物や風景がほとんど変わっておらず、石畳の道路と芝生の丘、おだやかな湖、風車や石組みのおうちと言った、我々がおとぎ話や絵本の中に見るような光景が現在まで保管されている地球上でもたぐいまれな場所。
イギリスの原風景だそうです。
「はちみつ色の石」と称される独特の色合いをした石灰岩「コッツウォルズストーン」を産出し、それによってはちみつ色の街並みが形成されている。
行ったことがないので、ここに写真を載せられないのが惜しいくらいです。みんなも一度は検索してみよう。
その風光明媚によって、さまざまな映画のロケ地にもなっているらしい。
琥珀糖【こはくとう】
砂糖水を寒天で固めた和菓子。
……とだけいうとなんだそりゃってな感じだが、色素などでカラフルに色付けされた透明の寒天は非常に可愛らしく、家でも簡単に作れるという点から非常に魅力的。
作り方は鍋で水と砂糖と寒天粉を温め、型に流したらそこに色素を加えて模様を作る。あとは固める。完成。
寒天なので触感がモキリッ!としていて、これを食べる音を収録したASMRもあるらしい。なんだそりゃ……。
琥珀という名前の通り、食べられる宝石とか呼ばれている。
可愛らしさとしてはジェリービーンズとかと似てる。
ちっさくて色とりどりなのがいっぱいあるからね。
タツノオトシゴ【Seahorse】
タツノオトシゴ属に分類される魚の一種。
魚類なのだが、ご存じの通り魚らしくない見かけと生態をしている。
地球に対し垂直で、なおかつ頭を下げるような姿勢をしているのが馬っぽいのでかつてはウミウマとも呼ばれていたらしく、英語でもSeahorseと同様の呼び名を持つ。
魚なのできちんと背びれ胸びれがあり泳ぐことも可能なのだがあまり得意ではないようで、普段は海流に流されないよう尾部を海藻に巻き付けておとなしくしている。
オスは体に育児嚢という袋を持っており、ここにメスが産卵して繁殖をする。
しかし「タツノオトシゴ」この名前はすごいよな。
龍の落とし子だぜ?少々ぶっとんでやいないか?
調べると、このイカした名前は田中茂穂さんという人が考えたらしい。
この人は近代魚類分類学の父と呼ばれているそうで、ある種類の生き物に対してその生き物につけられた学名と対応するように調整した和名、いわゆる標準和名を考え出した人なんだってさ。
それまでは統一された呼び方というものが無かったため、同じ呼び方だけど違う生き物を指すとかある種の生き物に呼び方が複数あるとかいうひっちゃかめっちゃかだったのを統一したんだ。
でもそれにしたってタツノオトシゴってのはすごいよな。
だってミドリガメとかアオガエルとかさ、そんなんが多い中タツノオトシゴだぜ?
すごいもんだよ。
民草【たみくさ】
数が多く、増え行く人民を、生い茂る草にたとえた言葉。
増える草といえば雑草をほうふつとさせるため、蔑称か何かと思われがちだが、そういう蔑む意味合いはない。
漠然とした大多数の人間存在を指す言葉で、個人を指す際には使わない。英訳すればpeopleと同じ。
ところで【接続詞】
いったん話を切り話題を転換するときに使う。ところで今日の1時間目は何だっけ?みたいにね。
転換なので、この語の後にはどんな話題を繋げても文法的には間違いではないため、自分の言いたいことをぶっこむことも可能。
始めたは良いが落ちないなこの話、と思った時に使える。
エッセイや日記を書くときには非常に便利なワードなので、このサイトでは最頻出のワードでもある。
ところで、予備校に通っていたとき、そこの現代文の先生が非常に聡明な方で尊敬していたのだが、その方がこの「ところで」を並列の意味で使っていました。
「日本は北半球にある。ところでアメリカも北半球にある。したがって日本とアメリカは季節が一致している」というように使っていたのです。
私はこれが強く印象に残っていて、「ところで」ってそういう使い方もあるのか、と覚えて使っていたのですが、しかしその後どの辞書で調べても、「ところで」の用法といえば上述のような話題の転換しか出てこないのです。
単にその先生の口癖みたいなものだったのだろうか。
とりあえず私はそういう使い方もあると信じているので、そういう使い方もしてます。
どっとはらい【慣用句?】
民話や昔話などで、「これでおしまい」を意味する決まり文句。
「むかしむかし…」は始まりの決まり文句だが、これがそれの逆。「めでたしめでたし」と同じ言葉。
転じて現代では、ブログやTwitterなどでひとしきりつぶやいた後これを末尾に加えることで「言いたいことはこれで終わりです」を表すこともある。
調べたところによると東北地方の方言らしいのだが、私は東北出身なのに寡聞にして聞いたことがなかった……。
津軽や岩手の南部あたりの言葉で、山形では同じような言葉に「とっぴんからりん」というのがあるらしいのですがなんだそりゃ!初めて聞いたぞ……。
方言ということでなにかの語源があってそれが訛った形がこれなのだろうと思ったのですが、どう調べても「昔話の終わりの決まり文句」としか出てこないんですね。。。
もともと何か意味があったのだろうが、昔話として口伝されるうちに意味が取っ払われて、とりあえず終わりっていう意味だけが残ったのでしょうか。
語源はこちらを参照してください、と示されたリンクがリンク切れだったりしてて、インターネットも万能じゃないなと思いました。どっとはらい。
トリ・ヒタ・カラナ【連語】
バリヒンドゥーの哲学で、意味としてはサンスクリット語で「三方が幸福になる理由」という意味。
バリ島はこの哲学をもって景観や文化の維持に努めているため、2012年に世界遺産にもなっている。
三方とは神と人、人と人、人と自然のことで、バリ島ではこれらの調和に重きを置いている。
近代的な建物を拒否するのではなく、今ある自然との調和を目指すということで、バリ島が観光地として魅力的な理由でもある。
1000年以上前の寺院が伝説とともに維持されていたりして非常に美しい場所。
日本でいうとこの……どこだろ。たとえられないね。
ミュンヘン・サッポロ・ミルウォーキー【連語】
ビールの名産地であるドイツの「ミュンヘン」日本の「札幌」アメリカの「ミルウォーキー」が位置する緯度帯が同じ北緯45度付近であるため、そのことをアピールするために1958年ごろから宣伝文句として使われ始めたキャッチコピー。
北緯45度というとまあまあ涼しい気候で、ビールの原料であるホップがよく育つ土地柄です。
ちなみに札幌とミュンヘンは同じ1972年にオリンピックを開催した都市であるため、そのつながりで姉妹都市になってるらしいです。
さらに、ミルウォーキー・ブルワーズのブルワーとは醸造家という意味。ビール作りが盛んなだけあるよな。
ハクセキレイ【学名:Motacilla alba lugens】
スズメ目セキレイ科に属する鳥。
日本のあらゆる場所に生息している、体色が白と黒の2色で構成された小鳥。
スズメは地面をぴょんぴょんジャンプして進むが、ハクセキレイは歩く。テコテコテコテコ歩くさまが非常にかわいらしい。
虫などを食べているらしいが、実は雑食性らしく、割と市街地でも問題なく生活できるらしい。
駅の構内やビルの屋上などでも普通に見かけることができる。
ほかの鳥がいない場所で生活するとは、ちっこいのにかしこい。
ヒメツリガネゴケ【学名:Physcomitrella patens subsp. patens】
コケ植物の一種。
サイズが小さく、育つのが早くてしかも簡単で、観察もしやすいと実験生物の条件を満たしまくっているため、頻繁に実験に供されている。
しかもゲノムも解読済みであるため、遺伝子への実験も行われているらしい。
コケ植物は生物としてはかなり単純な方であるため、高等生物では行いにくい実験もしやすいというとことん実験されるヤツ。
こいつのおかげで技術はいろいろ発展してるのだ。ありがとうヒメツリガネゴケ!
ブーゲンビリア【Bougainvillea】
中央アメリカおよび南アメリカの熱帯雨林が原産の、つる性の常緑樹。
和名はイカダカズラで、花言葉は「あなたは素敵」とかそんな感じ。
葉っぱからなにからいかにも南国っていう感じの見た目で、日本では年に2回ほど開花するが、花のように見える部分は、実際には美しい色をした葉っぱ。
育てるのが簡単で、暖かければ鮮やかに花が開くので、世界中のあらゆる場所で栽培されている。
前述の通り、一見花に見える部分は実は花ではないため、開花植物用の肥料をあげすぎると開花せず、樹木に棘を生成するようになる。
棘が少ない方が、あぶなくないしお花も綺麗なので、ブーゲンビリアを育てる際はぜひ栄養をあげすぎないようにしてくださいね。
ちなみに宮崎県の宮崎空港で栽培されているブーゲンビリアが突然変異して新品種になったことがあるらしい。
ボルサ宮殿【Palácio da Bolsa】
ポルトガルの都市、ポルトに存在する歴史的な建造物。
「宮殿」と付いているがいわゆる宮殿ではない。ボルサとは株という意味で、宮殿のように煌びやかな場所だが証券取引所である。
1842年に完成した建物なので流石に現在では取引は行われていないが、1994年まで実に152年の間ポルトガルの主要証券取引所として使われていたという。
巨大な建物で竣工から完成まで70年の歳月がかかり、その間建築家が6人も交代したため、さまざまな建築様式を見ることができる。
紋章の間では、当時ポルトガルと関係のあったさまざまな国の紋章が飾られています。その中にはなんと江戸幕府徳川家の紋章も。
日本とポルトガルは歴史的にかなり深い関係があるため不思議ではありませんが、不思議ですね。
日本語に取り入れられているポルトガル語といえば「カステラ」や「カルタ」が有名ですが、知ってましたか?
「おんぶ」ももともとポルトガル語なんですよ!
ホワイトサポテ【学名:Casimiroa edulis】
ミカン科カシミロア属に属する果樹、その果実。原産はメキシコ。
つまりは柑橘類なのだが、我々が想像するようなつぶつぶの果肉ではなく、どちらかというとアボカドのような感じの中身になっている。
味はバナナやラフランスに似た感じで甘く、天然のカスタードクリームとか言われることもあるらしい。
メキシコとかカリフォルニアなどの温暖な気候で栽培されるが、日本でも九州沖縄あたりでごくわずかに栽培されている。
だが別に暖かい場所でなくても、栽培する気になれば鉢植えひとつからでもできるらしい。
果樹だがそれほど大きくはなく葉っぱには光沢があり美しいので、観葉植物として育てる人もいるようだ。
夢のまた夢カード
ゲーム「桃太郎電鉄」シリーズに登場する、ぶっとび系の便利カードのひとつ。
使うとどこかのマスにぶっとび、そこが嫌なマスだったらもう一回ぶっとぶかどうか選ぶことができる。
子供の頃、私の周りでは桃鉄を持っている人があまりおらず、人生でも数えるほどしかプレイしたことがないため(友達がいなかったわけではないよ!)あまりなじみがあるものでもないのだが、私が敬愛する「伝説のスターブロブ2」というサイトでは、確率的にかなり起こりにくい事象を表現するとき、つまり「夢のまた夢」と同義としてよく使われているため、マネして使っています。
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