@そもそもローグライクってなに?
いにしえのダンジョン探索ゲーム『Rogue(ローグ)』に似たシステムを採用しているゲームのことです。
厳密な定義は(たぶん)存在しませんが、おおよそは
◆遊ぶたびに毎回マップや出現アイテム、罠、お店、敵キャラが変化
◇ターン制(1回行動すると敵も1回行動)
◆お金や魔力、鍵など限られたアイテムリソースの管理
◇ダンジョン探索である
◇空腹度システム
◇高難度マップなどに序盤からでも入れる
◆アイテムや装備の相互作用がある
◆無暗にアイテムを取得すると不利になるシステム(呪いの装備など)
◇ステージの不可逆性(1回通り過ぎたステージには戻れない)
◇2D、もしくはドットベースである
◇ハックアンドスラッシュ(敵はとにかく倒す)
◇中断以外にセーブがない
◆死んだら終わり
の要素を持ったゲームを全般的に「ローグライク」とよびます。これらはほとんどが原典の『Rogue』にあった要素です。
定義が難しいのは、これらの要素すべてを持っていなくても、重視される◆の要素を持っていれば広義のローグライクとして認識されてしまうところ。
逆にこれらの要素にカードゲーム要素を足したもの、アクションゲーム要素を足したものなどもすべてローグライクに分類されます。
プレイするたびにマップが変わり、死んだらゲームオーバー、というゲームはおおよそすべて定義上はローグライクです。
でもSteamとかで「ローグライク」と検索するとおびただしい数のゲームがヒットしますが、このように定義が広いため全然ローグライクっぽくないゲームまでヒットして結構困るんですよね。
もともとは『不思議のダンジョン』のような「純粋に『Rogue』に似た"ダンジョン探索型の"ゲーム」のみを指していましたが、現在では上記のような「『Rogue』の要素を持ったゲーム」くらいの意味で使われています。
今や純粋なダンジョン探索ゲームはむしろ少数派と呼べるまでになってしまいましたが、それは『Rogue』の時点でかなり完成度が高かったから。
完成度が高いがゆえに、後続のゲームはそれに何を足していくかということに終始することになってしまい、そのプラス要素も40年以上もの歴史の間にほとんど出尽くしてしまったのですね。
何が面白いの?
アドバンテージがランダムであることで戦略性や対応力、つまるところ実力が問われるようになるところ!
ここの店でこの武器を買って、ボスの手前でセーブしておいて負けたらやり直し、とかそういう通り一遍の攻略が成り立たないためにやりがいがあるのですね。
テンプレをなぞるだけのゲームプレイに飽き飽きしたら是非ローグライクをやってみてください!
しかしあまりに何もかもがランダムすぎると、強いアイテムを拾えれば勝ち、拾えなければ負けという大味なゲームにもなってしまうため、作るうえでのバランスは難しいのでしょうね。
だけど、ずっと弱い武器のまま一生懸命頑張るのもローグライクだし、序盤に強い武器拾って上振れのカタルシスを得まくりなのもローグライクです。
上振れのスコアをずっと超えられないのもローグライク。最初に強いアイテムが欲しくて出るまでマラソンし続けるのもローグライク。
序盤に拾った貴重なアイテムをもったいなくて使えないまま事故死するのもローグライク。ローグライクはとかく一期一会。
リセマラは邪道だ。走れるだけ走れ!
とはいえ、強化やアイテムが入るか入らないかで難易度や展開が大きく変わってしまうため、運ゲーの誹りをうけることもある。
そりゃまあ確かに……というほかないがね。
@ところで『Rogue』ってなんなのよ?
1980年に発表された、最初期のコンピュータゲーム。
その時代にもゲーム作品は結構あったようですが、当時はコンピュータといってもまだ画面に文字か直線を表示するのが精いっぱい程度の性能しかなくグラフィックで描くことができなかった(追記:よく考えたら当時でも既にAtari2600が存在するので、できなかったわけではなく、そう多用できなかった、が正解なようです)ため、多くのゲームが「あなたは魔法を唱えた」とか「敵の攻撃であなたは死んでしまった、安らかに眠れ」とか文章で表現していたわけなんですが、『Rogue』はその点工夫を凝らし、文字だけで情景を表現することにしたのです。
ちなみにrogueとは悪党とかならず者とかといった意味。
取り扱い説明書には「あなたは戦士ギルドからの数年にわたる戦闘訓練を受け終わった。これからギルドの一員となるに当たり、ギルドは試験としてあなたにひとつの課題を与えた。その内容は、運命の洞窟に赴き、その奥深くにあるという「イェンダーの魔除け」を取って来るというものだ。成功の暁には、あなたはギルドの正式メンバーとされる上、洞窟から持ち帰った財宝はすべて自分の財産にできる。この試練を達成するため、あなたは家族や友人に別れを告げ、与えられた武器や防具を携えて洞窟の迷宮へと入っていった。」とあります。(邦訳はWikipediaより)
要約すると、魔物が住む洞窟に
泥棒(しかも強盗)に行くというお話なのですね。
どおりであらゆる敵から攻撃を受けるわけだ……。
リスト
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ONE STEP FROM EDEN
ローグライクでロックマンエグゼライクなノンストップアクション。
わかりやすい要素しかないが、その要素が100も200も重なるためドット絵なのに処理落ちする不思議なゲーム。
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Slay the Spire
ローグライクにカードゲームを混ぜるとこうなる。
いいカードが引ければ勝つし引けなければ負ける運ゲー……とも限らない。
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イリスと巨人
ゲーム自体は面白い。だが合間合間に挟まれるストーリーが重すぎてやればやるほどアンニュイなゲーム。
ゲームなんか止めて外に出ろってことなのかもな。
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Loop Hero
主人公は勝手に動き回る。プレイヤーは敵を設置して主人公を攻撃する。だが主人公が死んだら負け。
いわば"逆"タワーディフェンス。ローグライク感は薄め。
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Dome Keeper
地下資源を掘削し生命維持ドームを強化、迫りくる原生生物からドームを守れ!
行動に時間制限があるため、効率よく動くことを求められる。
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Neon Abyss
銃を片手に卵を背後に、モンスターはびこるダンジョンを進んでいこう。
わかりやすい説明などはほとんどないので、無数の装備やアイテムの効果を覚えるのが大変。
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Seraph's Last Stand
ローグライクアクションを最も簡潔に表すとこれになる。シンプルすぎて書くことがあまりない。
至極単純だが爽快感がありおもしろい。弾幕シューティングの風味もあり。
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VAMPIRE SURVIVORS
一騎当千型ローグライクアクション。ドット絵だし、なんとなく昔のコナミっぽい。
爽快感があって、1プレイが短いためとっても遊びやすい。追加キャラとかも豊富。というかこれローグライクなのか?