史上最悪のマジック:ザ・ギャザリングカード100枚 100位-76位
25,000枚以上のカード存在するMtG。
そのすべてが人気のあるカードになるわけではない。
Ben Bleiweissが選んだマジックの最もひどいカードは?
これ以上ひどいカードはないだろうと思った時、あなたは思い出す……これがまだパート1であることを……。
By
Ben Bleiweiss | 2022年3月1日
マジックには25,000枚を超えるユニークなカードが存在します。
その大部分はみんなのデッキに定着していて、家の中で快適にプレイされたり、カードショップでのフライデー・ナイト・マジックで、あるいはトーナメントホールでもプレイされています。
結局のところ、WotCはゲーム作品を作るビジネスをやっているというわけです。
しかし時折、とてつもなくひどい、まったく使えないカードがこっそり混じっているときがあり、それをみたあなたは立ち止まりこう思うでしょう。
「……なんでこんなカードが印刷されたってんだ?」
この連載記事では、マジックの歴史の中でも
本当に最底辺のカードたちを見てもらいたいと思います。
これらはマジックのゲームに存在するカードの中の底辺0.4%に位置するカードたちです。
しかし、この史上最悪の100枚を紹介する前に、単なる悪いカードと、
本当に史上最悪のカードとの違いを定義したいと思います。
便宜上、サイクルの一部であるカード、または性能がほぼ一緒のカードは1つのグループとしてランク付けしました。
(私注・サイクル自体が弱い場合、50位に5枚、とかいうこともあるわけですね。)
《灰色オーガ》ベースライン
みなさんご存じの《灰色オーガ》を見てみよう。
灰色オーガ / Gray Ogre (2)(赤)
クリーチャー — オーガ(Ogre)
2/2
《灰色オーガ》は、3マナのクリーチャーに期待されるスタッツが2/2というものだった時代、アルファ版リミテッドエディションで印刷された。
その時でさえ、《灰色オーガ》は1つ……2つ……なんと
3種類ものクリーチャーに完全に負けていた。
ウスデン・トロール / Uthden Troll (2)(赤)
クリーチャー — トロール(Troll)
(赤):ウスデン・トロールを再生する。
2/2
Sedge Troll (2)(赤)
クリーチャー — トロール(Troll)
Sedge Trollはあなたが沼(Swamp)をコントロールしているかぎり+1/+1の修整を受ける。
(黒):Sedge Trollを再生する。
2/2
Granite Gargoyle (2)(赤)
クリーチャー — ガーゴイル(Gargoyle)
飛行
(赤):Granite Gargoyleはターン終了時まで+0/+1の修整を受ける。
2/2
これら3匹のクリーチャーは、《灰色オーガ》と同じスタッツを持ちながら、《灰色オーガ》を打ち倒すのに十分な能力を持っている。
《ウスデン・トロール》は再生ができる。
《Sedge Troll》はそれに加えて沼があれば3/3になることができる。
《Granite Gargoyle》は飛行をもっている上にタフネスを強化することができる。
これらすべてが《灰色オーガ》を悪いカードたらしめているわけではない。
《灰色オーガ》はいいカードじゃない。
オーガの部族デッキを組もうとか、よくないカードでデッキを組もうとチャレンジするとき以外は、これにお呼びがかかることはない。
つまり《灰色オーガ》が持つ罪は、「最適でない」ではなく「格下である」ということだ。
戦場にいる間、これはあなたに苦痛を与えてくることはない。
少なくとも攻撃とブロックは可能なわけで、これはマジックのほとんどゲームで勝つために重要な手段だ。
要するにこいつは単に最悪というほどではないってことだ。
カードは時間とともに、パワーレベルが上がったり下がったりしている。
《稲妻》が存在するから《ショック》が悪いわけではない。
両方が使えるなら、《ショック》は《稲妻》より悪いが、《ショック》しかないフォーマットやローテーションがある。
その場合なら、《ショック》はプレイするにまったく問題のないカードだ。
実際、5枚目以降の《稲妻》として《ショック》を一緒にデッキに入れたくなるかもしれない!
史上最悪のカードへの再訪
この話題は、20年近く前になる2004年にも一度取り上げたことがある。
時を経て、マジックの世界はとても大きく変わったので、最悪のカードという概念自体を見直す必要が出てきた。
ルールが変わった。
統率者戦のような多人数フォーマットには非常に人気があり、以前は使われなかった多くのカードが多人数戦オールスターに再定義された。
以前は悪かったカードを、あるデッキやコンボの必須パーツにするカードが印刷されたのだ。
つまり……すべてが変わった。
この最悪リストに突っ込む前に、何をもって史上最悪のカードとするかを簡単に定義しておこう。
2022年のマジックの最悪カードの特徴
1)
クリーチャーは本来、そうでないものよりも有利である。
マジックのほとんどすべてのクリーチャーは、勝ちに直結した能力、つまり相手が死ぬまで攻撃すれば勝てるという能力を持っているからだ。
では、何をもって悪いクリーチャーと最悪のクリーチャーを分けるのだろうか?
最悪のクリーチャーは一般的に、唱えるのにマナがかかりすぎたり、ひどいスタッツを持っていたり、強すぎるデメリットを持っていたり、役に立たないほどニッチな能力を持っていたりする。
2)
他のカードに負けているからといって、それだけで最悪のカードになるわけではない。
このリストのほとんどのカードには、最悪バージョンよりあとに(稀に、その前に)印刷された優れたバージョンがある。
悪すぎて、そのままではカードに印刷する価値すらない効果もある。
そのようなものについては、その都度取り上げることにしよう。
3)
いくつかのカードは、特定の戦略にとってはニッチだ。
ゲームという一連の物語の中で、これらのカードは99%の確率では何も役に立たないが、1%の確率で非常に重要な意味を持つカードになる。
これだけでそのカードが悪いということにはならない。
しかしこれらのカードの中には、特定の戦略のサポート、あるいは対策カードであるにも関わらず、その用途でも役に立たないというものもある。
この定義に当てはまるカードはこのリストに入るだろう。
4)
あるフォーマットで弱いからと言って、すべてのフォーマットでもそうだとは限らない。
すべてのフォーマットで悪いカードが含まれるのがこのリストだ。
これにはドラフトやシールド戦も含まれる。
リミテッド戦でこんなもんに頼らなきゃいけないなら、それはもう戦略自体間違ってる!
5)
カードを引いたりマナを生み出したりするカードは、本来であれば使えるカードだ。
このリストに入るには、マナコストが高く、見返りが少なく、カードを引く方法やマナを使う方法に制限があるという、本当にひどい組み合わせでなければならない。
これから4日間、2022年版「史上最悪のマジック・カード100枚」を発表する。
第100位《夜翼の呼び声》(ギルド門侵犯・アンコモン)
夜翼の呼び声 / Call of the Nightwing (2)(青)(黒)
ソーサリー
飛行を持つ青であり黒である1/1のホラー(Horror)・クリーチャー・トークンを1体生成する。
暗号(その後、あなたはあなたがコントロールするクリーチャー1体に暗号化した状態で、この呪文カードを追放してもよい。そのクリーチャーがプレイヤー1人に戦闘ダメージを与えるたび、それのコントローラーはその暗号化したカードのコピーを、それのマナ・コストを支払うことなく唱えてもよい。)
なぜ悪いか?
《夜翼の呼び声》はまず、4マナを使って飛行しか能力がない1/1のクリーチャーを作る。
その後、クリーチャーを暗号化して(つまりこれは本質的にはエンチャントである)、対戦相手にダメージが入れば、1/1の飛行クリーチャーが出る。
問題なのは、マナコストが高いために戦場に影響を与えるたけの十分な効果を出せないであろうことだ。
エンチャントされているクリーチャーが戦闘ダメージを与えるたびに1/1のフライヤーを1体生み出す能力を与える4マナのオーラ・エンチャントと考えても、使いたいとあまり思わないだろう。
暗号を持つことで《夜翼の呼び声》がさらに下位になることは避けられる(私注・別に用意した回避能力持ちに暗号化すれば一応使えるため)が、どう考えても標準以下であることに変わりはない。
代わりに何が使えるか?
《フェアリーの陣形》は、より多くの1/1フライヤーを生成し、さらにドローもできる5/4フライヤーだ。
《フェイの女王、ウーナ》はサイズが大きく、1ターンに複数のフェアリー・トークンを作ることができる。
トーナメント定番である《苦花》ならもっと爆上げだ。
第99位《大天使の光》(闇の隆盛・神話レア)
大天使の光 / Archangel's Light (7)(白)
ソーサリー
あなたは、あなたの墓地にあるカード1枚につき2点のライフを得る。その後、あなたの墓地をあなたのライブラリーに加えて切り直す。
なぜ悪いか?
WotCが神話レアというレアリティを導入したとき、大きくて派手な能力を神話レアで登場させるといっていた。
《大天使の光》は確かに大きいが、得られるものに対しこのコストが高すぎる。
8マナのソーサリーは、普通ならその場でゲームに勝利するほどの効果を持つ。
最悪のシナリオは、この《大天使の光》を見た相手が対応で墓地破壊を撃ち、この呪文が完全に空振りに終わることだ。
じゃあ最善のシナリオは?
50点以上のライフを得て、墓地をリサイクルというのも、もしかしたら可能かもしれない。
しかしそのために8マナも使うべきなのか?その必要はあったのか?
答えはノーだ。
代わりに何が使えるか?
《先祖からの貢ぎ物》はこの呪文よりも前のカードだが、これよりずっと良い。
コストが1少なく、フラッシュバックを持ち、墓地もなくならない。
どう考えてもそっちの方がライフ回復の割合は高い。
《不死の霊薬》はこれと墓地をライブラリに戻して5点のライフを得られる。しかも3マナと安い。
相手の墓地にある厄介なクリーチャーを取り除くためにも、ゲーム終盤大量のライフを得るためにも使える《死者への敬意》も使いやすいね。
第98位《Aisling Leprechaun》(レジェンド・コモン1)
Aisling Leprechaun (緑)
クリーチャー — フェアリー(Faerie)
Aisling Leprechaunがクリーチャーをブロックするかクリーチャーによってブロックされた状態になるたび、そのクリーチャーは緑になる。(この効果は永続する。)
1/1
なぜ悪いか?
1マナで1/1なのは悪くない。
《Aisling Leprechaun》には欠点すらない!!
ただ残念なことに、《Aisling Leprechaun》の能力はほとんど役に立たない。
ブロックしたりされたりしてるクリーチャーを緑色にして何になるっていうんだ?
では、なぜ私はこのカードを《Dwarven Trader》、《Eager Vanguard》(私注・《熱心な士官候補生/Eager Cadet》のことか?)、《脱走魔術師》、《真珠三叉矛の人魚》、《メタリック・スリヴァー》、《モンスのゴブリン略奪隊》、《Murk Rats》(私注・おそらく《泥ネズミ/Muck Rats》のこと)、《さまようもの》、《柳のエルフ》よりも下位に位置付けたのか?(私注・すべて1マナ1/1のバニラです)
簡単に言うと、他のカードはすべて何らかの部族的要素を持っており、それぞれのデッキにとっては少なくとも一見の価値はあるということだ。
フェアリーデッキは大半が青黒なので、これは色と(皮肉にも)運にも見放された1マナ1/1だ。
代わりに何が出せるか?
緑でプレイできる1マナクリーチャーで、《Aisling Leprechaun》よりも優れたものは数えきれないほどあるので、それらすべてを探ろうと思ったら別に記事を書かなくてはならないだろう!!
なのでここでは、緑1マナで1/1のほかのクリーチャーをアルファベット順に並べることにしよう。
まず頭文字Aから。
《アロサウルス飼い/Allosaurus Shepherd》……《万能のブラッシュワグ/Almighty Brushwagg》……《アナの信奉者/Ana Disciple》……《東屋のエルフ/Arbor Elf》……《アヴァシンの巡礼者/Avacyn's Pilgrim》……次にBだけど、もう十分だよな?
第97位《上天の嵐》(ホームランド・アンコモン3)
上天の嵐 / AEther Storm (3)(青)
エンチャント
クリーチャー呪文は唱えられない。
4点のライフを支払う:上天の嵐を破壊する。それは再生できない。いずれのプレイヤーもこの能力を起動してよい。
なぜ悪いのか?
1対1のデュエルでは、カードを破壊するために4点のライフはそれなりな代償だ。
《上天の嵐》はさまざまな理由で、それほど良いものではなかった。
既に戦場にいるクリーチャーを止められず、クリーチャーで突進してくるデッキに対しては遅すぎる。
対戦相手が3人いてライフが40ずつある統率者戦の世界では、このカードを除去することはほんの些細な厄介ごとでしかない。
代わりに何が使えるか?
本当の本当に相手のクリーチャー呪文を1ターンだけ止めたいなら(《上天の嵐》が持続するのはだいたいそれくらいだ)、《消えた火》、《オアリムの詠唱》、《沈黙》、《Brand of Ill Omen》とか《骨の結界》とかが考えられる。
《鋼のゴーレム》や《光網の観察者》を唱えて、それを対戦相手に押し付ける方法を探すこともできるだろう。
第96位《愚鈍な虚身》(ゼンディカー・コモン)
愚鈍な虚身 / Mindless Null (2)(黒)
クリーチャー — ゾンビ(Zombie)
あなたが吸血鬼(Vampire)をコントロールしていないかぎり、愚鈍な虚身ではブロックできない。
2/2
なぜ悪いか?
このカウントダウンの前奏曲で《灰色オーガ》を取り上げないことを宣言した。
だから代わりに、《スケイズ・ゾンビ》を取り上げよう!
ちょい待ち、ゼンディカー(一般的にはオーバーパワーなセットだった)に印刷するカードとしてなぜ《灰色オーガ》《スケイズ・ゾンビ》よりも弱いカードを選ぶことになったのか?
WotCがどのようにして、あるいはなぜ、3マナで2/2、さらに欠点までもっているカードを印刷することにしたのかは知らないが……それがこれですよ。
少なくともコイツはゾンビなので、多少の救いはある。
ほんの小さな小さな救いだが。
代わりに何が使えるか?
マジックには、これと同じマナコストで同じスタッツのゾンビが21体もいる。
その中でも《青褪めた騎士》《戦墓の巨人》《ナントゥーコの鞘虫》《ファイレクシアの食屍鬼》《腐れ肺の再生術師》がお気に入りかな。
第95位《港の検査官》(メルカディアン・マスクス・コモン)
港の検査官 / Port Inspector (1)(青)
クリーチャー — 人間(Human)
港の検査官がブロックされた状態になるたび、あなたは防御プレイヤーの手札を見てもよい。
1/2
なぜ悪いのか?
相手の手札を見たいなら、無条件で相手の手札を見られる呪文が必要だ。
《港の検査官》が小さすぎるので、対戦相手が手札を見られたくないなら、基本的に無視される。
もし相手がブロックしてきたとしたら《港の検査官》は死んでしまうだろう。
どうしても手札を見たいってなら、もっとうまいやり方があるはずだ。
代わりに何が使えるか?
《ウルザの眼鏡》は1マナで毎ターン相手の手札を見ることができる。
《さまよう眼》は全員の手札を公開させてプレイできる。
《のぞき見》や《ギタクシア派の調査》は対戦相手の手札を見るための単発効果として申し分ない。
どちらも、見た後にカードを1枚引くので実質的にはほとんどコストがかからないのだ!
第94位《共同突撃》(ゼンディカーの夜明け・アンコモン)
共同突撃 / Allied Assault (2)(白)
インスタント
クリーチャー最大2体を対象とする。ターン終了時まで、それらはそれぞれ+X/+Xの修整を受ける。Xは、あなたのパーティーを構成しているクリーチャーの総数に等しい。(あなたのパーティーは、ウィザード(Wizard)とクレリック(Cleric)とならず者(Rogue)と戦士(Warrior)それぞれ最大1体から構成される。)
なぜ悪いか?
クリーチャーをパンプアップさせたいなら、それがうまくいく保証がないとダメだ。
《共同突撃》は、戦場にパーティメンバー(クレリック、ならず者、戦士、ウィザード)がいるかどうかに依存している。
このパーティメカニズムは、ゼンディカーの夜明けで導入された時点でつまらないものであり、以降も人気はほとんどない。
ほとんどのカジュアルプレイヤーは、白単で2体のクリーチャーをパンプアップすることを確実にするよりよい方法を知っている。
シールドやドラフトでは、《共同突撃》を唱える際に除去呪文の気まぐれに晒される。
対戦相手があなたのパーティメンバーのひとりでも除去してしまったら、これのパンプ値も下がるので、勝てた勝負をみすみす逃すことになる。
代わりに何をプレイできるか
《不屈の猛攻》は、これのより安定したバージョンだ!部族要素もない!
《護衛の誓約》はさらにスケールが大きくなり、対戦相手が多少戦場をかき回してきても、事実上負けることはないだろう。
第93位《Balm of Restoration》(フォールン・エンパイア・アンコモン1)
Balm of Restoration (2)
アーティファクト
(1),(T),Balm of Restorationを生け贄に捧げる:以下から1つを選ぶ。
・あなたは2点のライフを得る。
・クリーチャー1体かプレイヤー1人かプレインズウォーカー1体を対象とする。このターン、それに与えられる次のダメージを2点軽減する。
なぜ悪いのか
アルファ版時代に立ち返ってみよう。
ブーンズと呼ばれるカードのサイクルがあった。
これらはそれぞれ1マナで、見返りに3つの何かを与えてくれるカードだった。
《治癒の軟膏》《祖先の回想/Ancestral Recall》《暗黒の儀式》《稲妻》《巨大化》だ。
《治癒の軟膏》はこれらの中でも最も使われなかった。
ライフを3点得たり防いだりってことは、例えば3マナ貰ったり、クリーチャーを+3/+3したり、3点のダメージを与えたり、カードを3枚引いたりすることに劣るからだ。
フォールン・エンパイアでは、パワーダウンしたアーティファクトの形でこのサイクルに再訪した。
唱えるのに2マナ、起動するのに1マナかかるようになり、また3つではなく2つしか得られない。
《Aeolipile》=《稲妻》
《Conch Horn》=《Ancestral Recall》
《Elven Lyre》=《巨大化》
《Implements of Sacrifice》=《暗黒の儀式》(か、もしくは《ブラック・ロータス/Black Lotus》だが、サイクルなので暗黒の儀式の方だろう)
……そして、3マナで2点のライフを得る《Balm of Restoration》。
これはマジック史上で最悪のライフゲイン率かもしれない。
少なくとも、クリーチャーを瀕死から救うことができるかも……しれない?
しかしこれは、もともと悪いもののマナコストを3倍、悪くしたのだ。
代わりに何をプレイできるか?
《治癒の軟膏》でいいんじゃないか?それとも《世界の盾》?《スクイーのオモチャ》?
無色でのライフゲインが欲しいなら、《ボトルのノーム》《金線の使い魔》《更生の泉》《象牙の塔》《航海士のコンパス》とかいろいろ、2,3マナでライフを得られるアーティファクトカードがいっぱいある。
第92位《粗暴な抑制》(プロフェシー・アンコモン)
粗暴な抑制 / Brutal Suppression (赤)
エンチャント
トークンでないレベル(Rebel)の起動型能力を起動するためのコストは、それを起動するためのコストが「土地を1つ生け贄に捧げる」だけ多くなる。
なぜ悪いか?
このマスクス・ブロック時代、レベルデッキがあまりにも強かったため《果敢な勇士リン・シヴィー》は禁止されることになった。
プレイヤーは、1ターン目に《レイモス教の兵長》を置かれることをかなり嫌がった。
そんなわけでこの《粗暴な抑制》に求められた目的はただ1つ。
レベルデッキを止めること、それだけだった。
この目的は2つの理由により失敗した。
1) 白はエンチャントを除去することに長けている。
2) 《粗暴な抑制》は、既に戦場にいるレベルたちを止めることはできなかった。
先行1ターン目にこいつを引けていないと、対戦相手は既に4,5体のクリーチャーを戦場に出している可能性がある。
さらにあなたが赤単デッキであるなら、相手は《熱風の滑空者》(私注・3マナ2/1の飛行、プロテクション(赤)持ちレベル)をリクルートで出し続けることができる。
どんな形であれ、既に対処できないクリーチャーの大群に遭遇しているなら、1ターンに1枚土地を捧げさせても意味はない。
代わりに何が使えるか?
《硫黄の精霊》は《解呪》で死なないうえに、問題のあるレベルのカードのほとんどを処理できる。
《Anarchy》も白の魔法使いの痛いところを突くのに最適なカードだ。
以下も参照:《絶滅》《サーボの命令》《激しい恐怖》《疫病を仕組むもの》
第91位《索引》と《未来視》(索引:アポカリプス・コモン、未来視:レジェンド・アンコモン1)
索引 / Index (青)
ソーサリー
あなたのライブラリーのカードを上から5枚見る。その後それらを望む順番で戻す。
未来視 / Visions (白)
ソーサリー
プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーのライブラリーのカードを上から5枚見る。あなたは「その後そのプレイヤーはそのライブラリーを切り直す」ことを選んでもよい。
これらはなぜ悪い
ライブラリーの上から5枚を見るというのは、大した効果じゃない。
カードを引くわけじゃないから、そこから5ターンの間にその5枚を引くことに変わりはない。
《未来視》にできる最高の仕事は、白1マナでライブラリをシャッフルすることだ。
同じようなことができる1,2マナの呪文は数多いし、だいたいはさらなる効果を持つ。
つまるところこの2枚を唱えるってことは、カードを1枚無駄にぶん投げているだけってことになる。
代わりに何が使えるか?
《有事対策》は《索引》とほぼ同じだが、ライブラリーの上に置いておきたくないカードは墓地に置くことができるというボーナスがある。
《衝動》は上から4枚を見て、1枚を手札に加えることができる。
しかもこれはインスタントだ。
《巻物棚》はこの効果を繰り返し行える上に、すぐに手札に持ってこれる。
《師範の占い独楽》はこの効果を究極まで表現したものだ。
第90位《萎縮の呪詛》(オンスロート・アンコモン)
萎縮の呪詛 / Withering Hex (黒)
エンチャント — オーラ(Aura)
エンチャント(クリーチャー)
プレイヤーがカードをサイクリングするたび、萎縮の呪詛の上に疫病(plague)カウンターを1個置く。
エンチャントされているクリーチャーは、萎縮の呪詛の上に置かれた疫病カウンター1個につき-1/-1の修整を受ける。
なぜ悪いのか?
除去呪文を唱えるということは、ただクリーチャーを死なせたいということだ。
《萎縮の呪詛》は、唱えただけでは何もしない。
そして、タフネスが1以上のクリーチャーを殺すためには複数回サイクリングを行う必要がある。
これは単純に、これまで印刷された除去呪文のなかで最も効率が悪いもののひとつだ。
代わりに何が使えるか?
クリーチャーを1,2体葬れる黒のカードは膨大な量あるぞ!
突然だが《喪心》《滅ぼし》《破滅の刃》《喉首狙い》《致命的な一押し》《無情な行動》《血の復讐》《恐ろしい死》《悪意の苦悶》《恐怖》《夜の犠牲》《板歩きの刑》……試してみよう。
第89位《要塞化》と《Tower of Coireall》とレジェンドの《Glyph》サイクル(要塞化:レジェンド・アンコモン1、Tower of Coireall:ザ・ダーク・アンコモン2、Glyphサイクル:レジェンド・コモン1)
要塞化 / Fortified Area (1)(白)(白)
エンチャント
あなたがコントロールする壁(Wall)クリーチャーは+1/+0の修整を受けるとともにバンドを持つ。
Tower of Coireall (2)
アーティファクト
(T):クリーチャー1体を対象とする。このターン、それは壁(Wall)によってはブロックされない。
Glyph of Life (白)
インスタント
壁(Wall)クリーチャー1体を対象とする。このターン、そのクリーチャーが攻撃クリーチャーによってダメージを与えられるたび、あなたはその点数に等しい点数のライフを得る。
Glyph of Delusion (青)
インスタント
壁(Wall)1つを対象とする。このターン、それにブロックされたクリーチャー1体を対象とする。その上に象形(glyph)カウンターをX個置く。Xは、そのブロックされたクリーチャーのパワーの点数である。そのクリーチャーは「このクリーチャーは、その上に象形カウンターが置かれている場合、あなたのアンタップ・ステップにアンタップしない。」と「あなたのアップキープの開始時に、このクリーチャーから象形カウンターを1個取り除く。」を得る。
Glyph of Doom (黒)
インスタント
壁(Wall)1つを対象とする。このターンの次の戦闘終了時に、このターンそのクリーチャーによってブロックされたすべてのクリーチャーを破壊する。
Glyph of Destruction (赤)
インスタント
あなたがコントロールする、ブロックしている壁(Wall)1体を対象とする。それは戦闘終了時まで+10/+0の修整を受ける。このターン、それに与えられるすべてのダメージを軽減する。次の終了ステップの開始時に、それを破壊する。
Glyph of Reincarnation (緑)
インスタント
この呪文は戦闘後にのみ唱えられる。
壁(Wall)1つを対象とする。このターン、それにブロックされたすべてのクリーチャーを破壊する。それらは再生できない。これにより死亡したクリーチャー1体につき、その壁によって最後にブロックされたクリーチャーをコントロールしていたプレイヤーの墓地にあるそのクリーチャー・カード1枚をそれのオーナーのコントロール下で戦場に戻す。
これらの何が悪いのか
むかしむかし、マジックが作られた最初のころ、クリーチャータイプに「壁」があった。
「壁」は攻撃できない、というルールがあった。
その後、WotCはこれらを「防衛」というキーワード能力に変更したため突然にして、壁であるかどうかと攻撃できるかどうかは結び付かなくなった。
それよりもあとのカードは、攻撃できないクリーチャーには防衛を持たせることにし、壁であるかどうかは気にしなくなった。(私注・ここの2文、難しくてちゃんと翻訳できず。多分、こんなような意味かと……)
これは、「防御担当のクリーチャーは壁だけである」という考え方に特別結び付いていたカードが使い物にならなくなることを意味していた。
このリストの中でたぶん最も良いカードは《Tower of Coireall》だろう。
このカードは十分に役割を果たしただろうが、防御を壁に依存しないデッキが多いこの世界では、かなり使い道の少ないカードになっている。
《要塞化》も防御には使えるが、壁が必要だ。
《Glyph》は反応機構であり、基本的に攻撃できないクリーチャータイプに結びついていたため、常に悪いカードだった。
代わりに何が使えるか?
ほとんどの防衛クリーチャーは、パワーよりもタフネスの方が高い。
より多くのダメージを与えることを重視するなら、《突撃陣形》《包囲の塔、ドラン》《太陽の義士、ファートリ》《厳戒態勢》などを試してみよう。
防衛を持つクリーチャーを避けることに徹するなら、《障害排除》《摩損》《ゴブリンの鍵師》《オーガの門壊し》がある。
第88位《Kasimir the Lone Wolf》(レジェンド・アンコモン1)
Kasimir the Lone Wolf (4)(白)(青)
伝説のクリーチャー — 人間(Human) 戦士(Warrior)
5/3
なぜ悪いか?
伝説のクリーチャーの考え方は、こうだ。
非常に強力で有名なクリーチャーを、そのクリーチャーがどんなものなのかみんな注目するべき、ということだ。
レジェンドのセットで、伝説のクリーチャーたちの第1弾が登場したとき、これは当てはまらなかった。
このセットのアンコモン以下のクリーチャーのほとんどは、バニラかフレンチバニラだったのだ。
この"かなり弱い"のカードリストの中で、《Kasimir the Lone Wolf》は際立って最悪だ。
1994年の水準でさえ、6マナで5/3バニラのクリーチャーというのは標準以下だった。
……最近では?
この一匹狼はこれまで印刷された6マナ以上のクリーチャーの中で最悪の部類に入る。
代わりに何が使えるか?
《老いざるメドマイ》や《Rasputin Dreamweaver》は、どちらも(4)(白)(青)で、Kasimirをはるかに凌駕するクリーチャーだ。
どんなクリーチャーでもいいなら、《狡猾な微風舞い》《天上の戦乙女》《アゾリウスの空護衛》《清純な空智》《聖域の耕し獣》《失われたアラーラの君主》を含めることもできるだろう。
第87位《焦熱のダイフリン》(シャドウムーア・コモン)
焦熱のダイフリン / Blistering Dieflyn (3)(赤)
クリーチャー — インプ(Imp)
飛行
(黒/赤):焦熱のダイフリンはターン終了時まで+1/+0の修整を受ける。
0/1
なぜ悪いのか?
火吹きクリーチャー(1マナ払うと+1/+0される起動型能力を持つクリーチャー)は、アルファ時代から存在している。
《シヴ山のドラゴン》や《チビ・ドラゴン》は火吹き能力を持つ最初のクリーチャーのひとつである。
何年もの間で、火吹きクリーチャーの基本スタッツは変化し続けてきたが、《焦熱のダイフリン》ほど水準の低いものはなかった。
まあ、これは黒マナでも赤マナでもパンプができることはできる。
実際、何ターンかコイツで5点ダメージを刻み、リミテッドのゲームで勝った人もいるだろうとは思う。
しかし《焦熱のダイフリン》は戦場に出たときにはパワー0だ。
タフネスも1から上がらないから、何かされたらすぐに死んでしまうというのは、4マナのクリーチャーとしてはかなり脆すぎる。
実際《焦熱のダイフリン》は、4マナで攻撃に特化した能力を持つクリーチャーの中では最低のスタッツを持つ。
代わりに何を使えるか?
《ホタル》でさえ、火を噴く前でもパワーが1あった。が、まあほぼ同じか。
《電結の仔》《チビ・ドラゴン》《巣立つドラゴン》《火吐きカヴー》《焼炉の仔》《ウーコーの手下悪鬼》《稲妻のドラゴン》とかその他いろいろ、火を噴く4マナを試してみるのはどうかな。
第86位《隊商の随員》と《ハリマーの波見張り》と《ズーラポートの処罰者》(エルドラージ覚醒のコモンLvアップクリーチャー)
隊商の随員 / Caravan Escort (白)
クリーチャー — 人間(Human) 騎士(Knight)
Lvアップ(2)((2):この上にLv(level)カウンターを1個置く。Lvアップはソーサリーとしてのみ行う。)
1/1
Lv1-4:
2/2
Lv5+:
先制攻撃
5/5
ハリマーの波見張り / Halimar Wavewatch (1)(青)
クリーチャー — マーフォーク(Merfolk) 兵士(Soldier)
Lvアップ(2)((2):この上にLv(level)カウンターを1個置く。Lvアップはソーサリーとしてのみ行う。)
0/3
Lv1-4:
0/6
Lv5+:
島渡り
6/6
ズーラポートの処罰者 / Zulaport Enforcer (黒)
クリーチャー — 人間(Human) 戦士(Warrior)
Lvアップ(4)((4):この上にLv(level)カウンターを1個置く。Lvアップはソーサリーとしてのみ行う。)
1/1
Lv1-2:
3/3
Lv3+:
ズーラポートの処罰者は黒でないクリーチャーによってはブロックされない。
5/5
なぜ悪いか?
これら3つのクリーチャーの基本スタッツは、悪いものではない。
この忌々しいLvアップ能力が、この3人を最悪たらしめているのだ。
Lvアップのメカニズムは、《運命の大立者》の成功(あと、人気)を再現しようとしたものだったが、まずそれがソーサリータイミングに限定されたことで弱体化された。
さらに、各クリーチャーをLvアップさせるために狂った量のマナを要求することで、さらなる弱体化が行われたのだ。
《隊商の随員》:
- (白)で1/1 (ここまでは良い。)
- (2)(白)で2/2 (《真珠色の一角獣》だな。でも悪くはない)
- (10)(白)で5/5の先制攻撃 (待て……これは?)
《ハリマーの波見張り》:
- (1)(青)で0/3 (え……?でも我慢はできる)
- (3)(青)で0/6 (かなりヤバくないか)
- (11)(青)で6/6の島渡り (おい、なんだこれ)
《ズーラポートの処罰者》:
- (黒)で1/1 (《泥ネズミ》だけど、まあいい)
- (4)(黒)で3/3 (ちょっとヤバい)
- (12)(黒)で5/5のブロックされにくいクリーチャー(なに?これ)
これら絶大なマナコストは複数ターンに渡って分割払いされるが、クリーチャーが最高レベルまで達する前に死んでしまったら……ゲームオーバー!大量の無駄になったマナ!やっちまったな!!
というか、1/1のクリーチャーを5/5にするよりも、その無色4マナを3回別に使う方がもっといい方法が見つかるはずだ。
代わりに何をプレイするか?
どうしてもこの手のクリーチャーが使いたいっていうなら、Lvアップメカニズムを使っていなくてよりよいものがある。
《運命の大立者》《隆盛するスピリット》《始まりの木の管理人》、これらはこの手のクリーチャーの優れた亜種だ。
マナを注ぎ込むと強くなるクリーチャーが欲しいなら《歩行バリスタ》を試してみよう。
どんどん大きくなるし、+1/+1カウンターの使い道も豊富だ。
第85位《魂の交感》(メルカディアン・マスクス・コモン)
魂の交感 / Soul Channeling (2)(黒)
エンチャント — オーラ(Aura)
エンチャント(クリーチャー)
2点のライフを支払う:エンチャントされているクリーチャーを再生する。
なぜ悪いのか?
再生を与えるオーラがあったとして、カード1枚分の価値はないのが普通だ。
対戦相手はオーラに反応してクリーチャーを殺すことが多いんだからな。
また、クリーチャーを再生するために2点のライフというのも、他の選択肢に比べて大きなコストだ。
代わりに何が使えるか?
《骸骨の渋面》は唱えるためのコストが1少ないうえ、クリーチャーのサイズを大きくもしてくれる。
《ヒルの祝福》は、長期的にはライフが高くつくかもしれないが、何度も再生を行うことができる。
しかも瞬速だから、《魂の交感》では対応して除去呪文を撃たれるのに対し、こちらは相手の除去に対応して再生を付与することができる。
また、黒単であるならこのカードの最も安い(そして最も信頼できる)バージョンである《従者スラル》もある。
第84位《防御姿勢》(新たなるファイレクシア・コモン)
防御姿勢 / Defensive Stance (青)
エンチャント — オーラ(Aura)
エンチャント(クリーチャー)
エンチャントされているクリーチャーは-1/+1の修整を受ける。
なぜ悪いのか?
クリーチャーの攻撃を止めるために青のオーラを使うなら、それはクリーチャーのパワーをできるだけ下げられるものが望ましい。
自分のクリーチャーの防御力を上げるために青のオーラを使うなら、そのクリーチャーのタフネスをできるだけ上げるものがいい。
《防御姿勢》は、そのどちらにもほとんど働かない。
1マナで+1/-1修整を与える呪文とは異なり、《防御姿勢》ではクリーチャーを殺せない。
その代わりとして、攻撃にも防御にも見事なまでに大失敗する呪文になっている。
代わりに何が使えるか?
《怪物縛り》《泡の罠》《ハードカバー》《船慣れ》《感覚の剥奪》《砕け散った自我》《極小》それに《突発的変化》などは、1マナでこの効果をよりよく発揮できる。
相手のクリーチャーを完全に無効化できるために使える2,3マナの青のオーラは無数にある。
第83位《迷いし者の祭壇》(闇の隆盛・アンコモン)
迷いし者の祭壇 / Altar of the Lost (3)
アーティファクト
迷いし者の祭壇はタップ状態で戦場に出る。
(T):好きな色の組み合わせのマナ2点を加える。これらのマナは、いずれかの墓地にあるフラッシュバックを持つ呪文を唱えるためにのみ支払うことができる。
なぜ悪いのか?
事実上、マナを加速できるカードで悪いものは存在しない。
この《迷いし者の祭壇》はそれらの中で唯一の悪いカードだ。
《迷いし者の祭壇》が生み出すマナは、かなり特殊なカード(フラッシュバック呪文)にしか使えず、しかもそれが自分の墓地にあるときというかなり限られた状況でのみ使うことができて、さらにはこれを最速で着地させても、このマナが貰えるのは4ターン目からだ。
3,4ターン目に2マナ増やす方法にはもっといい選択肢がある。
代わりに何が使えるか?
《触媒石》は、《迷いし者の祭壇》よりも事実上優れているし、相手の妨害もできる!
もしマナの色を気にするなら、《火想者の器》をオススメしてもいいかな?
そうでないなら、《シッセイの指輪》《ウル=ゴーレムの眼》《摩滅したパワーストーン》《スランの発電機》、ラヴニカの印鑑シリーズ全10種、《彩色の灯籠》《連合の秘宝》《友なる石》《ネットワーク端末》……とかその他いろいろ、《迷いし者の祭壇》よりもマシなレートでタップしてマナを出すアーティファクトがオススメだ。
第82位《青銅の馬》(レジェンド・レア1)
青銅の馬 / Bronze Horse (7)
アーティファクト クリーチャー — 馬(Horse)
トランプル
あなたが他のクリーチャーをコントロールしているかぎり、青銅の馬を対象とする呪文によって青銅の馬に与えられるすべてのダメージを軽減する。
4/4
なぜ悪いか?
4/4のトランプルクリーチャーのために7マナはかなり中途半端だ。
2番目の能力である《青銅の馬》を対象とした呪文からダメージを防ぐという能力だが、これはない方がマシかもしれない。
これは、これまで印刷されたクリーチャーの中でも最も非効率的なものの1つであり、アーティファクトであるため、除去には非常に弱い。
代わりに何を使うか?
《電結の槍騎兵》は4/4の先制攻撃持ちで、死んだらほかのアーティファクトクリーチャーを+4/+4できる。
《機械仕掛けのドラゴン》は7マナ6/6のフライヤーで、マナを追加すればさらに大きくなる。
《ダークスティールのガーゴイル》は最初から破壊不能だ。《青銅の馬》とは違ってな。
いっそのこと、このダメージ軽減能力を取っ払って1のタフネスに変え、《Ebony Rhino》(7マナ4/5トランプル)にしちまった方がいい。
第81位《崩れる境界線》(インベイジョン・レア)
崩れる境界線 / Collapsing Borders (3)(赤)
エンチャント
版図 ― 各プレイヤーのアップキープの開始時に、そのプレイヤーは自分がコントロールする土地の中の基本土地タイプ1種につき1点のライフを得る。その後崩れる境界線はそのプレイヤーに3点のダメージを与える。
なぜ悪いか?
インベイジョンは、複数の基本土地タイプを使うプレイヤーが有利になるようにデザインされたセットだった。
《崩れる境界線》は、複数の土地タイプを使わないプレイヤーを罰するための繰り返される方法だ。
しかしそれは結局のところ、当時の環境には複数の基本土地タイプを使う多色デッキが多かったってことなので、これは基本的に「毎ターン0ダメージを与える」か、「毎ターン相手を回復させる」かのどっちかになってしまったのだ。
そうだ!単色デッキには効くよな!
でもその場合でも4マナ払って、1ターンに2点のダメージだ。
おいしい話とはとても言えないだろ?
代わりに何を使おうか
基本でない土地を使う相手を本当に罰したいなら、赤には《ドワーフの爆風掘り》とか《血染めの月》みたいな素晴らしいカードがある。
さらに、そいつらを殺したいなら、《原初の秩序》や《発展の代価》を試してみよう。
また、本当に複数の基本土地タイプを使う相手の喉元を掻っ切りたいなら、古くから愛される《隔離するタイタン》がある。
第80位《後陣のマイア》と《従者》(後陣のマイア:ミラディン・コモン、従者:ザ・ダーク・コモン3)
後陣のマイア / Omega Myr (2)
アーティファクト クリーチャー — マイア(Myr)
1/2
従者 / Squire (1)(白)
クリーチャー — 人間(Human) 兵士(Soldier)
1/2
なぜ悪いか?
何の能力も持たない1マナ1/1が標準以下であることは、既に証明済みだ。
何の能力も持たない2マナ1/2も同じことだと宣言しよう。
「1マナ1/2クリーチャーより悪いものは何ですか?」「2マナで1/2のクリーチャーだよ!!」
《従者》や《後陣のマイア》はしばしば、最悪中の最悪を語るときのオチやジョークとして人々に語られてきた。
この2枚が印刷された中で最悪のカードであることは認めるが、この2枚よりもかなり悪い(そしてさらに攻撃的な)クリーチャーは山ほどいる。
ほとんどの場合、どちらも進んで使われることはないが、ドラフトでは話は別だ。
ミラディンのリミテッドデッキでは、《後陣のマイア》がどうしても必要な時もあるだろう。
1マナや2マナの攻撃的なクリーチャーの中には、タフネスが1であるクリーチャーもそれなりにいるので、この2枚が全く何の役にも立たないことはない。
かなり気を使ってるぞ。
代わりに何が使えるか?
それはそれとして、他の何かを使おう。
《先陣のマイア》を使う。《Icatian Lieutenant》を使う。
2マナのアーティファクトや白のクリーチャーには腐るほど選択肢があるので、わざわざこいつらを使う理由はない。
第79位《ヴィーアシーノの骸骨》(アラーラの断片・コモン)
ヴィーアシーノの骸骨 / Viashino Skeleton (3)(赤)
クリーチャー — ヴィーアシーノ(Viashino) スケルトン(Skeleton)
(1)(黒),カードを1枚捨てる:ヴィーアシーノの骸骨を再生する。
2/1
なぜ悪いか?
《ヴィーアシーノの骸骨》は、アラーラの断片のドラフトデッキで何か間違えてしまったことを表す目印だった。
デッキの23枚目のカードとしてプレイされているのを見たことがあるが、普通ならこれよりは18枚目の土地を出しておいた方がその人にとってはまだマシだったろう。
回避能力を持たない4マナ2/1のクリーチャーって、お買い得とは言えないね。
《ヴィーアシーノの骸骨》を再生するためのコスト(2マナと手札1枚)はかなり大きい。
赤には、これよりも優れたスタッツを持つクリーチャーや、より少ないコストで再生できるクリーチャー、あるいはその両方を持つクリーチャーがたくさんいる。
代わりに何が使えるか
よし!アルファ版に戻ろうか!
《ウスデン・トロール》と《Sedge Troll》はどちらも《ヴィーアシーノの骸骨》よりも基本スタッツが高く、より少ないコストで再生するぞ!
黒マナで再生できる赤のクリーチャーという括りでも、《真紅の汚水這い》(2マナ3/2)《死呻きの略奪者》(2マナ2/3)《菅草スリヴァー》(3マナ3/3)とかが、《ヴィーアシーノの骸骨》よりも良い選択肢として注目できるだろう。
第78位《ドラゴン鎮め》(アラーラ再誕・アンコモン)
ドラゴン鎮め / Dragon Appeasement (3)(黒)(赤)(緑)
エンチャント
あなたのドロー・ステップを飛ばす。
あなたがクリーチャーを生け贄に捧げるたび、あなたはカードを1枚引いてもよい。
なぜ悪いか
こう、悪いカードを語っているときに、コンボパーツを入れるのは災いを招きがちだ。
そのカードをコンボエンジンとして使ったことがあった誰かが、そのカードを死守しようとするからだ。
《ドラゴン鎮め》はこれまで印刷されたカードの中で最悪のコンボパーツの1つだ。
私は、多くの人がこれを使いこなそうと夢見て、盤面のクリーチャーが尽きてゲームに負けてしまうのを見てきた。
これはドローエンジンだが、これ単体ではカードは引けない。
クリーチャーを生け贄に捧げた場合のみ、カードが引けるようになる。
貪食というメカニズムを強化したようなものだが、代わりに人々を勝ち目のない状況に追いやるものになってしまった。
生け贄に捧げるクリーチャーがいなくなった……?
じゃあ残りのゲームの間、ドローにはオサラバだな!!
代わりに使えるものはなにか?
《殺戮の祭壇》なら、クリーチャーを生け贄に捧げて、継続的にドローすることができる。
《吸血の儀式》や、カジュアル人気の高い《忘れられた神々の僧侶》もそうだ。
《村の儀式》や《命取りの論争》は新しめのカードだが、この効果を安く、しかも効率よく与えてくれる。
上記のどれも、生け贄に捧げるクリーチャーがいなくなったからと言って、ドローを封殺してゲームから追い出したりはしてこない。
第77位《アラジンのランプ》(アラビアンナイト・アンコモン2)
アラジンのランプ / Aladdin's Lamp (10)
アーティファクト
(X),(T):このターン、次にあなたがカードを引く代わりに、あなたのライブラリーの一番上からX枚のカードを見て、それらの中から1枚を除いて残りをすべてあなたのライブラリーの一番下に無作為な順番で置く。その後、カードを1枚引く。Xは0にはできない。
なぜ悪いのか?
《アラジンのランプ》の効果は、実際かなりいい。
毎ターンXマナを支払うことで、残りのゲームの間ドローするカードを良質なものに固定できるというのは強力な効果だ。
しかし、そもそもコレを戦場に出すのに……10マナだと?忘れちまえよそんな埒の明かない取引は!
《修繕》のようなカードでズルしてアーティファクトを出すなら、その場で(あるいはそのターン内で)ゲームに勝てるものを選んだ方がいい。
かといって、これをまともに唱えるため10マナ貯めるくらいなら、そこに行きつくまでにもっと優れた選択肢があるはずだ。
代わりに何を使うか?
《師範の占い独楽》は、デッキの一番上を見たり、早い段階で欲しいカードを引くためには最強のカードだ。
また《あざみの使い魔、明日歌》は毎ターンデッキの上を素早くかき混ぜる方法として最も安く簡単な方法だ。
第76位《裂き割る詠唱》(アラーラ再誕・レア)
裂き割る詠唱 / Cloven Casting (5)(青)(赤)
エンチャント
あなたが多色のインスタント呪文か多色のソーサリー呪文を唱えるたび、あなたは(1)を支払ってもよい。そうした場合、その呪文をコピーする。あなたはそのコピーの新たな対象を選んでもよい。
なぜ悪いか?
呪文をコピーさせるカードは、無限エンジンによる乱用を避けるため、コストが高いのが普通だ。
繰り返し使えるものであるなら、さらにたくさんのマナが必要になる。
そして《裂き割る詠唱》はその頂点に位置する。
効果は強力だ。しかしその制限は極めて強い。
コピーできるのは多色の呪文、それもインスタントかソーサリーだけだ。
《裂き割る詠唱》を戦場に出すために7マナ溜まった頃には、コピーできる多色の呪文はほぼ残っていないだろう……。
この、出たターンには何もしない7マナのエンチャントが出てくるまでの間、生き延びるためにそれらを使わないといけなかったからだ。
代わりに何が使えるか?
《炬火のチャンドラ》は、4マナでこれよりも柔軟だ(多色だけでなく、どんなインスタントやソーサリーでもコピーできる)。
《複視》は毎ターン無料でインスタントかソーサリーをコピーできる。
《石成エンジン》は起動に少しコストはかかるが、これよりも早いターンから起動できるし、複数の能力を持っている。
《イゼットの模範、メーレク》は、インスタントやソーサリーをコピーしたいデッキの統率者として典型である。
ではまた明日!
マジック:ザ・ギャザリング史上最悪のカード25枚を紹介しよう!
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